猫と十二支

むかしむかし、あったど。

ある日、神様が動物たちを呼んで宴会を開くことにしたど。

「宴会の日、早く来たものの順に十二匹選んで、一年間、人間の世界を守らせることにしたい」ちゅう、おふれ出しただど。そこで動物たちは「我こそ一番先にいくべぇ」と宴会の日を待っていただど。ところが猫は、宴会の日をわせでしまったど。

「困ったなぁ。ネズミに聞いてみんべ」どって、ネズミんどこさ行って聞くど、ネズミはわざと一日遅い日をおせいだだど。

さて、宴会の日。歩くの遅いベコは真っ先に出掛けだど。ネズミは遅れたら大変と、ベコの背中に飛び乗って神様の門さ着くと、すぐに飛び降り、ネズミ、ウシ、トラ、ウサギ、タツ、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、トリ、イヌ、イノシシの十二匹に一年間ずつ人間の世界を守らせることにしただど。

そうだごど知らねぇ猫は、次の日、勇んで神様のどこへ行ったら、

「宴会は昨日だったよ」

と笑われたど。

そこで、十二支に入れてもらえなかった猫は、ネズミを恨んで今でもネズミを見ると追いかけ回していんだど…というわけだ。

ざっと昔、さげだ。

掲載協力者　栗城保子さん（宮下）