川木取り

 山から伐った木材で筏(いかだ)を組み、只見川・阿賀川に流して新潟県に輸送していた時代から昭和20年代頃まで、大水が出ると(洪水のあと)、名入の人たちは「川木取り(かわぎとり)」をした。
 流れてくる木(流木)を拾い集め、さまざまな用途に使う。薪にして燃料にしたり、時にはケヤキなどよい木が流れてくることもあり、製材して小屋などの材料に使ったりもした。こういった「川木取り」ができた年は柴刈りなどをして燃料を集めなくてもよいくらいだったという。
 ただ、流木の中でも山師(※)の印などがあり所有がはっきりしている場合には、あらためて川に流すこともあった。また大水が落ち着いてきた頃に、山師自身が自分の木を探しに来ることもあったという。

※ここでは材木を買い受け、伐採から流送までを行う企業や親方のこと

<「暮らしと文化を話し合う会」(2009年11月12日、2010年1月21日開催)における名入地区の方々への聞き書きによる>