高尾神社
上居平の一番上、集落を抜けたところで左手の山中に入る。どっしりとした石の鳥居をくぐり、65段の長い石段を登った高みに神殿がある。堂は何度か移転され、昭和41年に現在の場所に落ち着いた。杉の大木に囲まれ、日中でもひんやりとした霊気に包まれている。村の鎮守様であり、祭りや正月には村中の人々が参拝する。参拝した後、神殿に置かれた太鼓を叩く。バチは特別な祈願のある人が、桐やホウノキで作って奉納している。
毎年12月31日に、村の男たちによって鳥居と神殿の注連縄が綯(な)われ、年明けと共に新しいものが掛けられる。特に鳥居の注連縄は、太い部分が25センチあまりもある立派なものである。大晦日の晩、注連縄を納めた男たちの叩く太鼓の音が村中に鳴り響き、新しい年を迎える。
現在は倒壊してしまったが、境内にある貯水槽の後ろに水神を奉った石祠があった。近くを沢が流れていることに関連していると考えられる。
<奥会津書房『三島町散歩』より>