大谷愛宕様の火
「愛宕様の火」は大谷地区の火伏せの行事で、1月23日の夜、元名主の家の当主が長さ1間(1.8m)の「松明」を作ります。翌朝、当主は正装で座敷の祭壇の前に座り、火打ち石で火を起こしモグサにつけ、さらにつけ木に移してから、祭壇の燈明に点火します。この燈明の火で座敷の囲炉裏にある豆殻を燃やして松明に点火します。この火を元名主の家から決められた順に、家々に送り渡していきます。家々ではこれより一年間、この火を切らさずに使いました。
また、この日は家族揃って愛宕神社に詣で、オカラク(シトギ)と古銭などを供え、火伏せを祈ります。帰る際、供えられていた古銭を持ち帰り、それを囲炉裏の自在鉤に下げ、火伏せとします。