三島の民話 小豆が赤いわけ・餅のほめ言葉
小豆が赤いわけ
むかし神様が作物の種を集めて相談したそうだ。春になって種をまくときに、土の厚さはどの位が良いとかみんなに聞いたそうだ。一番先に豆に聞いたら「ちいっと位はいっぱいでも良い」と言ったそうだ。次には粟。粟に聞いたら「私は粒が小さいので少しで良い」と言ったそうだ。次は小豆に聞いたら「私はちょうどいいのが良い」と言ったのでみんなに笑われたそうだ。それで小豆は赤くなった。
それからず~~~っと小豆は赤いそうだ。
掲載協力 二瓶ミイ子さん(大谷)
餅のほめ言葉
餅よ餅よとお声がかる。餅にも数があるもので、家の旦那は物持ちで、それに母さんつく餅は家内仲良く丸め餅。家の旦那は身上もち。花嫁さんの持ってきたのがこの家身上の長持ちで、おなかのでかいのが赤ちゃんもち。股のでかいのがセンキもち。ばあさん焼くのが焼き餅で、話の早いのが草餅で、ただ今持ち出す御餅は新郎新婦がついた餅。味で良いのが納豆餅。お色で迷わずきな粉餅。お化粧で仕上げた雑煮餅。色は黒いが、つまんでみなよこの家自慢のあんこ餅。お客さんよ客さんよこれ程数ある餅なれば、遠慮は要らない要りません。入れ替え差し替え出し替えまして風呂敷づつみに包むほど。どうぞごゆっくりお上がり下さい。
掲載協力 五十嵐光栄さん(大谷)