おすずの壇 むかしのこと、高倉の宮以仁王を奉じ源三位頼政は宇治の川原で兵を挙げて平家にかみついた。ひとたまりもなく負けて …
猫のミイラ 今から三百三十年前のことでした。四国から来た旅僧が西方の破れ寺に住み着いた。 本堂の破れ屋根から月の光も雨 …
みそう台 滝谷小字に自滝原ちゅう処あんだ。今、そこは水田が三町歩ばかりで廻りに畑地があって、大昔の人が住んでただべぇ。そ …
盗まれた観音様 この浅岐にはなぁ、ずいぶん昔から村の下手の神社に、なんと七体の観音様がおられたぞぉ。霊験あ …
猿婿入 昔むかし、あったど。八人娘持った爺さまだったが、誰も手伝ってくんにぇがら、毎日毎日、ひとんじぇ田作りしったど。 …
利口な嫁 むがぁしむがしなぁ。あるところに、とでも頑固で昔人なもんで、口やがましくて、手にかねぇおばんちゃいたど。ほんに …
鬼むかし 昔むがぁし、八人娘もった爺さまやったど。とでも日照り続きで、爺さまの山田はとでも水かかんねぇで、ほとほと困って …
屁ったれ嫁 昔、あるどごろに、とでも屁ったれの娘がいでやったど。そんで、誰も嫁にもらい手がねぐていたが、まぁ縁があって優 …
笠地蔵 むかしむかし、あるところに爺さんと婆さんが笠を作って毎日暮らしておったそうだ。 あるとき、 「婆さんや、笠もだい …
古寺のネズミ退治 あったど。山ん中、十戸ばぁりの村の寺さ、貧乏してだ和尚様ど猫いだど。その寺には古いネズミ、まぁ百年もた …