三島のサイノカミ・滝谷地区

　滝谷地区のサイノカミは１月１４日に歳祝の人達を中心に地区民総出で製作に取り掛かりました。昼前には今年の恵方の方角である南南東を向いた立派なサイノカミが完成しました。その後会場では歳祝の人による恒例の「みかんまき」が行われ、子どもからお年寄りまで大勢の人が集まり、歓声が響きわたりました。

　翌１５日の夜、旧家である若林敏彦氏宅で採火された松明を歳祝の人達が会場まで運んで点火しました。サイノカミが燃え始めると歳祝の人は若い人達によって火の回りを走らされる「ドウヅキ」が行われました。また、会場では御神酒がふるまわれ、もちやスルメを食べる人の姿もありました。

　そして赤々と、冬の寒空へと燃え上がるサイノカミの御神火を見つめながら、誰もが今年一年の無事息災と世の中の平穏無事の願いをこめていました。

文・写真　目黒　民一さん（滝谷）